NFT20は、NFTの流動性向上を目的として、NFTを預けるとNFTに対応したERC-20を発行してくれるプロトコル。
NFTはERC-20のトークンとは異なり、それぞれが独立したモノなので、流動性が低いことや価格設定が難しいという問題点があります。みんなが欲しがるアイテムなら相場もできていて売買されやすいですが、唯一無二であればあるほど希少価値が上がる一方で価格を評価しにくいという側面もあります。だからオークションをして欲しがる人に値段を決めてもらうわけですね。
NFT20はこうしたNFTの状況を改善するため、NFTをERC-20として取引できるようにしてしまおうというサービスです。
本記事では、NFT20の基本的な仕組みを紹介していきます。
NFT20の仕組み
- XXX20というNFT20を通じて発行されたERC-20トークンをUniswap等で購入し、XXX20とNFTを交換する。
- NFTを渡して、XXX20というERC-20トークンを受け取る。
- XXX20/ETHペアをUniswapで流動性提供し、LPトークンをNFT20に預けると、NFT20のトークンであるMUSEがもらえる。
XXX20トークンを買ってNFTと交換する
XXX20は、NFT20で発行されたトークンです。XXXには、発行のために使ったNFTのシンボルが入ります。例えば、HashMasksのMASKであればMASK20というERC-20が発行されます。UniswapなどでXXX20を買ってくれば、NFT20でNFTと交換することができます。
NFT20の特徴は、何と交換するかを選べる点。トークン発行に使われたNFTはpoolされており、その中から選ぶことができます。各poolにOpenSeaへのリンクがあるので、poolの中身を詳しく確認することも可能。
交換レートは、poolでの交換であれば、XXX20が100枚とNFT1つです。ダッチオークション(徐々に値段が下がってくるオークション)では、その時の価格分の枚数が必要になります。
NFTをpoolしてXXX20トークンを発行する
NFT20では、NFTを渡すことでXXX20トークンを発行することができます。現時点でpoolにないNFTのトークンもパーミッションレスで発行することができます。分散型って感じですね。
NFTを渡すと100枚のXXX20が発行され、手数料の5%が引かれた95枚を受け取ることになります。
poolの中身と自分が渡したいNFTの価値が釣り合わないと感じた時には、ダッチオークションを行うことも可能です。始値と終値と期間を決めてオークションをおこないます。
流動性提供とファーミング
せっかく取引しやすいERC-20に交換してXXX20を発行しても、XXX20に流動性がなければ意味がありません。そこでNFT20では、流動性提供者に対してインセンティブを付与しています。
UniswapでXXX20/ETHのペアで流動性提供をすると、シェアに応じてLPトークンがもらえます。これをNFT20に預けることで、NFT20のガバナンストークンであるMUSEをもらうことができます。
NFTとXXX20のアービトラージ
ERC-20のXXX20が発行され、Uniswapなどで取引されることでXXX20には価格が付くことになります。そして、XXX20はNFTを使って発行可能。
これによって、相場よりも安いNFTを買ってXXX20にして売却することで、利益を得ることができる可能性があります。
アービトラージがされていくことで、結果的にNFTの相場も形成されていきます。
現実的には、手数料が引かれたりgas代がかかったりで、利益を出すことは非常に難しいですが、それを含めて価格形成には寄与してくれそうです。
まとめ
NFTからERC-20を発行するNFT20について紹介しました。
NFTとERC-20を紐付けて、流動性をあげていくという動きは、他にもいくつか見られます。NFTの流動性がよくなって、取引のハードルが下がっていくことを期待しています。
- 公式サイト:https://nft20.io/
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